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相続税法について

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イイなぁ~と思う制度 『相続時精算課税』2011年3月21日 | 相続対策について,相続税法について

税制度において、『これ、イイなぁ~』 と思う制度があります。

それは、 『相続時精算課税』 という制度です。

 

この制度の名前には、『贈与』 という文字がありませんので、

贈与とは関係ない制度のように見えますが、そんなことありません。

 

これは、生前に、親(65歳以上)から子供(20歳以上)に対して、

2500万円までの贈与については、贈与された時点で贈与税を

支払う必要が無く、相続時に精算すれば良いという制度です。

 

これは、良く言われる、『1年間で110万円までの贈与は無税』

という 『暦年課税』 ではないので、この制度を利用する場合は、

贈与された翌年の2/1~3/15までに申告しておく必要があります。

 

私がこの制度を 『イイなぁ~』 と思う理由はいくつかあります。

①大きな額を贈与できるが、税金は相続時まで支払わなくて良い。

 従って、相続税が発生しないような場合は、『不動産』などの

 大きな資産を贈与する場合、贈与税を支払うことなく、また相続時

 においても相続税を支払うことなく、大きな資産を今、子供達に

 渡す事ができます。

 

②遺言書を作成することなく、指定した子供に資産を渡せる。

 相続時、遺言書がないと相続協議で揉めることが多いですが、予め

 『この資産はこの子へ渡しておこう』 という明確な親の思いが実現

 できます。

 

③収益不動産を贈与すると、家賃が子供に入る

 まず、現金で子供に2000万円贈与しますと、世間を知らない

 子供は、つまらないものに散財してしまうかもしれません。

 賃貸マンションの一室を贈与したらどうでしょうか?

 贈与されるマンションの評価が2000万円だった場合、およそ

 そのマンションの実勢価格は5000万円だったりします。

 実質利回りが4%だったとしても、年間200万円の家賃は

 子供の収入になります。

 この賃貸マンションを、10年後の相続で子供が取得するのと

 比較しますと、その間の家賃分、200×10=2000万円は

 贈与税や相続税の対象にはならず、そのまま子供の収入

 となりますので、子供にとっては有り難い贈与になります。

 

【まとめ】

特に賃貸マンションのような収益物件は、この相続時精算課税を

利用して、早めに子供へ贈与しておくと良いと思います。

また、現金はあるが賃貸マンションは所有していないという親御

さんでしたら、まずは、その現金で賃貸マンションを購入し、しばらく

して子供へ贈与する・・・、という手法も宜しいのではないでしょうか?

 

推察するに、国の基本方針は、資産を若者へ! です。

23年度税制改正では、この相続時精算課税を、親から子供だけ

ではなく、孫まで対象に加えようとしています。

 


相続税改正案から伺える、国の誘導方向2011年3月17日 | 相続よろず話,相続税法について

この度の相続税法の改正案が成立するかどうかは別にしまして、

不成立であったとしても、その方向性は変わらないものと思います。

今回は、国の基本的な考え方を読んでみたいと思います。

 

まず、過去25年の相続税の税収額を振り返りますと、1986年度は

1兆5000億弱でしたが、バブル時の1993年に約3兆円となり、

その後、基礎控除の引き上げ、小規模宅地等の特例により右肩

下がりとなり、2010年度は約1兆3000億まで下がってきました。

 

そして、死亡者総数に対する、相続税納税対象者は、ここ10年、

4%程度なので、100人に4人が課税対象者でした。

 

①基礎控除の40%ダウンについて

これにより、死亡者総数の4%程度であった課税対象者が、6%

程度まで拡大されるという予想がされています。

 

最近は、色々な角度から『公平』という言葉が使われますが、

ごく一部の資産家から相続税を徴収するのではなく、もう少し

すそ野を広げて徴収しよう・・・、そんな意図が伺えます。

 

本ブログでもUP済みですが、ギリギリ課税対象にならなかった

方々は、数百万程度の納税が発生するという試算の通り、

ちょっとした資産家からも徴収し、税の公平なる負担を目指そう

という意図があるように思えます。

 

また、相続資産は、そもそも不労所得に近いものであるという、

そんな認識が一層強くなってきているとも読み取れます。

これは、現在の経済不活性な状況において、一生懸命働きたく

ても、なかなか仕事が無いとか、給料が上がらないとか、そんな

時代背景のもと、上位6%程度に位置する資産家からは、増税

しても大きな反発は無いであろう・・・、そんなレベルを目指して

いるような気が致します。

 

もちろん、背景には中長期的な税収不足に対し、不景気でも

その設定基準によっては、そこそこ税収が見込める相続税に

矛先が向けられているのは間違いないでしょう。

 

②死亡保険金の非課税枠の縮小について

現在、死亡保険金の非課税枠は

500万円×法定相続人の数

となっていますが、改正案では、対象となる法定相続人を

『未成年』、『障害者』、『被相続人と生計を一にしていた者』

としています。

 

子供がすべて独立しているような場合、配偶者だけが対象

となり、500万円だけが控除されるに過ぎなくなります。

 

これは、独立していて自分で生活できている方々は、相続税

においては、厳しく徴収します・・・という意味です。

 

また、生命保険は、相続税対策の一つの手段として加入されて

いるケースも少なくないので、相続税を少なくする目的、節税の

目的での生命保険利用に制動をかける意味もあるはずです。

 

③贈与税の緩和

強化されそうな相続税に対して、贈与税は少し緩和されます。

おおっ!と思いますのは、これまで相続時精算課税制度は、

受贈者が子供だけだったのが、孫(20歳以上)が追加され、

贈与者も65歳以上から60歳以上へと引き下げる案です。

 

要するに、高齢者から若者に、どんどん資産を移してあげる

ことを推奨しているようなものです。

 

これは、『相続税は増税します、それならば、生きているうちに

贈与税を払ってでも、若い方々へ資産を与えるほうが、感謝も

されるし、宜しいんじゃないですか?』 というような、国からの

声が聞こえてくるような気が致します。

 

【まとめ】

相続税・贈与税の今後を決めるキーワード

①不景気 高齢者増加  ⇒  『税収不足』

②不景気 ⇒  『若者に仕事、お金が無い、将来設計描けない』

③資産の偏り ⇒ 『資産が高齢者に集中している』

 

国は、色々な角度から、国と言う立場として見た場合の、その時

その時の『国民の公平』を考えているように感じます。

これは、立場が違えば公平にも感じますし、不公平にも感じます。

 

所得税の累進課税にしても、数千万円の所得がある方からすれば、

自分も一般市民として同じ道路を歩き、同じ空気を吸って、同じ水道

を利用し、同じ公共施設を使うに過ぎない身であるのに、何故に自分

はこんなに高い税金を払うのか? と思っている人もいるでしょうし、

どうしてこんなにカツカツな生活している我々から、また消費税UPで

増税しようとしているんだ! と思う方もいるでしょう。

 

今回の相続税の改正案を見ますと、『国民の公平』という観点から

見た場合、『世代間の公平』が注視されているように思います。

 

高度成長期に右肩上がりに資産が増えて来た世代。

何年経っても給料が上がるかどうかわからない世代。

大学卒業者の内定率が7割を切った、そんな若者世代。

そして、そんな高度成長期の世代に支払う年金を、既に苦しい

若者たちが背負っていかなければならない様相。

 

こんな世代間を少し公平にしていこうか・・・、そんな狙いが国の本当の

狙いの様な気がしてなりません。


世田谷で40坪の土地の上に住んでいると・・・2011年3月6日 | 相続税法について

弊社の事務所が世田谷区ですので、ちょっとした試算をしてみます。

 

【前提条件】

世田谷区深沢に夫人が住んでいました。

夫人の夫は、かれこれ10年前に他界され、夫人は一人住まいです。

土地は165㎡(約50坪) 建物は延床35坪で築30年経過。

子供は3人いますが、それぞれ独立して持ち家に住んでいます。

夫人は、昨年夏の猛暑で体調を崩され、それが回復しないまま他界

されました。 現金・株などの資産は殆どなく、唯一の資産は深沢の

土地・建物です。

相続人は、独立している子供3人だけです。

相続は、法定相続通りに配分することにしました。

 

【それでは試算してみます】

1.現行税制における相続財産評価 土地の評価は相続税路線価

  で評価されます。 調べましたところ、路線価は45万円/㎡でし

  たので、 土地の単純な相続評価は、45万×165㎡=7425万円です。

  被相続人と同居していない子供達は、小規模宅地の特例が

  利用できず、その評価はそのまま7425万円となります。

 

   しゅうきほししし 建物は固定資産評価額で評価されます。

  調べましたところ、築年数が経っているせいか、300万円でした。

  相続財産としては、土地・建物の合計の7725万円です。

 

  基礎控除は5000万円+1000万円×法定相続人の数 なので

  課税対象財産は、8000万円の基礎控除で0になります。

  従いまして、お子様方には相続税は発生致しません

 

2.相続税法が改正された場合 まず、基礎控除ですが、

   3000万円+600万円×法定相続人の数 というように改正され

  ますので、4800万円となります。

   従いまして、課税対象財産は、基礎控除わ引いた2925万円

  なります。

  その結果、3人の子供は、合計で約388万円の相続税を支払う

  ことに なります。

 

どうでしょうか? 相続人がお子様3人のようなケースでは、税制改正後

の基礎控除できる金額が 3200万円違ってきますので、今まで相続税

とは無縁であった方達も、数百万円の 相続税が発生する可能性が十分

出てきているわけです。

 

ちなみに、相続財産が1億以下であれば、税率は改正後も現行税率と

同じで、下記の通りです。

 

   1000万円まで         10%

   1000~3000万円まで   15%

   3000~5000万円まで   20%

   5000~1億まで        30%



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